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75年めの夏に

  • 2020/08/10(月) 15:33:05

毎年カトリック教会は長崎の原爆記念日から終戦記念日までの10日間を
「平和旬間」として記念している。
今年は75年目という特別な節目。
今まで聴いたり学んだりしてきた戦争の記憶を
いつも以上に思いめぐらしている。

去年だか一昨年だかの終戦記念日、
高齢の2人の姉妹が「終戦の時にはどこでどうしていたか」と
語り合っていたことがある。
そのとき1人の姉妹が近くに居た私の方を向いて
「シスターはどこに居たの?」と聞いてきた。
「私、まだ生まれていません・・・」と、
その時は笑い話になったが、
考えてみたらそのまま生まれてこない可能性だってあったかもしれない。

父は少年時代に軍隊の経験がある。
直接聞いたことはないが、同世代の人と
「よく殴られたが、食べ物があるだけ良かった」と話していたことがある。
母からは
「戦中戦後はとにかく物が無かった。」とたびたび聞かされた。
食べ物が手に入らないので、祖母は庭に畑を作り、
慣れない農作業をしていたのだという。

もし父が戦死していたら、
母が餓死していたら私は生まれてこなかった。

今年、私たちはいつもと違う生活をしている。
そして今まで色々な面で恵まれていたことを知ることになった。
両親が経験した「戦時中の困難」は、今よりもっと大変だったことだろう。

普通の人のささやかな生活が脅かされる。
突然大切な人を失う。

この悲劇が二度と繰り返されないよう、
決して忘れてはならない出来事。

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