読書感想文

  • 2011/08/24(水) 21:00:30

さらなる夏休みネタ。
小学生の頃、唯一人並みにこなせた宿題、
それは読書感想文。

この間、実家の本棚から当時読んだ童話を持ち帰ってきた。
「やまんばおゆき」
課題図書の中に入っていて、
母が買って来たのか、先生に贈られたものか、
とにかく自分からは読みそうもない本だ。
(残念ながら現在は絶版で、古書でなければ入手できないらしい)

時は江戸時代。所は姥捨ての習慣のある貧しい村。
タイトルからして恐ろしいし、
舞台全体が暗いイメージなのであまり真剣に読んでいなかった。
だが、このたび再読してみたらところ、
大変深い内容で、考えさせられる部分が多かった。

その村に「おゆき」という大変素直で優しく働き者の娘が嫁いでくる。
彼女は先妻の子供たちの我がままにも、
姑の意地悪にも嫌な顔ひとつせずに尽くし、
朝から晩までよく働く。
さらには捨て子をも我が子同然に慈しんで育て、
山姥にさえも心を遣う。
しかし、そんなおゆきも年をとり、
西国巡礼に行くよう言い渡される。
六十歳を迎えた高齢者は巡礼に行き、
決して帰ってきてはならないというのが村の掟だった。
この時、おゆきは生涯ではじめて「否」を言う。
自分はまだまだ元気で、村のために働けるのに…と。
そして巡礼に出発することなく行方をくらます。
やがて、若いお嫁さんたちの間に、
優しい山姥の噂が流れるようになった…。


子供の頃はおゆきが良い人過ぎてあまり共感出来なかったが、
今となると、こういう生き方って羨ましいなあと思う。
子供の頃、さんざんおゆきに我がままを言った継子が、
感謝と謝罪の言葉を述べたとき、
おゆきは「自分は皆の言い分がもっともだと思ったから従ったのだ」と答える。
以下、おゆきのセリフ。

「村のしゅうは、おくまばあさが、
よめのおれをいじめる、と悪くいったけんど、
おれはそうは思わなかったど。
おれを、よくしこんでやろうと思ったから、
きつくしてくれただ。
おかげでおれは村一番のコギノおりになったぞ。」


おゆき自身も良い人だが、
おゆきにとっては全ての人が良い人だったのだろう。
こんなふうに素直に前向きに受け入れることが出来れば、
人間関係の苦しみは激減するに違いない。
プラス思考は自分自身のスキルアップにもつながる。

村の掟に納得行かないおゆきは山姥となるが、
時折、村に下りてきては、
疲れたお嫁さんに代わってコギノ織りをしてやるようになる。
村に捨てられても人に親切であり続けるおゆきの生き様は、
実に美しい。

Sr.ぱうろ

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