fc2ブログ

四旬節の友

  • 2009/03/06(金) 15:57:23

我が家の聖堂には十字架の道行が無い。
金曜日には園田教会の道行に与るから問題ないけれど、
日々、個人的な道行の時にはこれが友達。

ポケット道行

掌にすっぽり収まる小さな十字架の道行。
まだ修道院に入る前に友人からプレゼントされたもの。
豆粒のような小さな絵ながら、第一留にはしっかりと手を洗うピラトの姿が刻まれている。
本当にいいものをくれた・・・。
残念ながら、その友人は3年前に胃癌で帰天してしまった。
この道行は彼女の形見。

この季節、病床で大きな苦しみを捧げ、日々祈り続けていたという晩年の彼女と、受難のイエスがダブって見える。
聖母のエリザベツ訪問の祝日(5/31)に天に帰った彼女は、その前の四旬節に発病して手術を受けた。
彼女はイエスと共に自分自身の十字架の道を歩んでいたのだ。
遠く離れていた私は詳しいことを知らぬままに
「ご復活には元気になって教会に行かれるといいね」と手紙を書いた。
弟子たちがイエスの苦しみに立ち会わなかったように、私も彼女の病状の深刻さを知らなかった。
後ろめたさと、感謝の念、様々な思いが入り乱れる。
今、天国に居る彼女は、きっと私のために祈ってくれているだろう。

Sr.パウロ