- | HOME |
ニゲラ
- 2008/10/29(水) 09:35:36
小さなニゲラ(黒種草)の花が咲いた。
よく見ないと見過ごしてしまうような白っぽい緑。
確か昨年はきれいな薄紫の花が咲いた筈だった。
そこから取った種なのにどうしたことだろう。
一瞬、がっかりして、すぐに反省した。
夏の間、私は開花を待っていた。
そして今、私の期待とは少し違っていたかもしれないけれど、ちゃんと花が咲いたのだ。
私も水をやったけれど、花だって咲くためにがんばった筈。
そして神様が太陽の熱と光を送り、私には思いもつかない方法で、花の命を育んで下さった。
その御手のわざに対して、また花の努力に対して、不満を感じるのは傲慢だったと思う。
小さなプランターの中でも、けなげに咲いた花の命。
なんて素晴らしいことか。
Sr.ぱうろ
お帰りなさい♪
- 2008/10/28(火) 09:35:20
昨日、黙想に出かけていた二人の高齢シスターが帰院した。
さっそく庭を散歩している一人の姿を見て、若い志願者が声を弾ませた。
「あっ、シスターH !おかえりなさーい♪」
その日の夕食は、何のお祝いかと思うほど賑やかで、
いつもはもの静かなおばあちゃんシスターも、
黙想の様子を楽しげに話す。
思えば二人の留守中は、
「今頃どうしているかしら・・・」という話題が多かった。
芸達者な姉妹に至っては、
留守の穴埋めをするべく二人の物まねをしたりして。
昨夜はついに本物が帰ってきたので、自然と食卓が盛り上った。
数分おきに同じコメントを聞かされても、
同じ思い出話を100万回繰り返されても、
皆、おばあちゃんシスターが好きなのだ。
こんな風に居られるのは、家族の人数が多い(10人)おかげかもしれない。
思い出話の最初のフレーズを聞けば
「おっ、これはあの話か・・・」と誰もが分かってしまう。
でも、それをイントロクイズみたいに楽しもうとする。
「さあ、次は何の思い出でしょうか?」なんて。
こんなふうに高齢者を中心に盛り上がれる共同体が、
とても温かいと思う。
どうぞ、お二人とも元気で長生き(すでに長生きだけど)してください。
Sr.ぱうろ
最強の武器
- 2008/10/27(月) 11:25:11
先日、読んでいた小説にこのようなシーンがあった。
主人公は祓魔師(ふつまし・・・悪魔祓いをする司祭)で、
ある女性にとりついた悪魔たちを祓うために派遣されるが、
相手はあまりにも強力だった。
万策尽き果てた司祭は、女性を救いたい一心で、悪魔を自分の身に引き受ける。
しかし悪魔は完全に司祭を支配することが出来ない。
それは何故か。
悪魔は言う。
「お前は祈るからだ。」
そういえばマザー・テレサのエピソードにこんなのがあった。
どこのどういう状況だかは忘れてしまったが、
ある人がマザーに尋ねた。
「あなたはこんな危険な所に行くのに、武器を持っているのですか?」
するとマザーは
「もちろん持っていますよ。」と言いながら、
ロザリオを取り出したという。
マザー・テレサのように小説の中の司祭のように、
「祈り」を武器に戦えるって素晴らしいと思う。
Sr.ぱうろ
- 祈
- | comment(5)
バザー
- 2008/10/27(月) 11:02:30
昨日、園田教会のバザーが終わった。
生憎の雨だったけれど、
私たちの「シスターの店」も結構がんばったと思う。
陳列を見て感動したのは品揃えの豊富さ。
お菓子つくりの上手なシスター作のケーキやクッキー。
長崎名物ふくれまんじゅう。
(長崎でお祝いの時に頂くもので、こちらもシスターの手作り)
ここまでは毎年恒例の作品。
恒例だからファンも多い。
それに加えて、手作りのクリスマスリースや手編みの手袋。
庭で育てたローズマリーなどのオリジナル商品がざくざく。
私の作ったロザリオもちゃっかり紛れ込んでいたのだが、
しみじみ大勢が集まるってすごいと思う。
なにしろ一人では思いつきもしないような作品が集まるのだから。
出身地も性格も特技も様々な人々が、
それぞれの個性を活かして出来上がった・・・。
そんな素敵な「シスターの店」だった。
Sr.ぱうろ
おばあちゃんの居ない日々
- 2008/10/23(木) 17:32:00
昨日から高齢や病気で普通の黙想会に参加出来ないシスターたちの黙想会が始まった。
季節は一番過ごしやすい秋。
日数も短め。
掃除や食器洗いetcは元気な姉妹が奉仕する。
我が共同体からも二人の高齢姉妹が参加した。
二人のおばあちゃんが居ない我が家・・・。
ぽっかり・・・。
なんだかすごく淋しい雰囲気だ。
いつもはおばあちゃん達が座っている席に他のシスターが座っている。
どうも落ち着かない。
共同体の中で何か特別なことをしているわけでもないのに、
この圧倒的な存在感。
おばあちゃん席(中庭がよく見えて、テーブルの上の花に近い)に座ったあるシスターは、いつもそこに座っているシスターがするように、花瓶の花に手を伸ばしていた。(過去の記事を参照のこと→)
「この席に座るとこうなるのよ・・・。」なんて言いながら。
その後、私もその席に座ったら、やっぱり花に手を伸ばしたくなった。
そしていつもそこに座っているシスターたちを思い出す。
おばあちゃんはダテにおばあちゃんなわけではないのだ。
みんなの心を和ませてくれて、私たち若いもんのために祈ってくれている。
早く帰って来ないかな。
Sr.ぱうろ
私は静かに・・・
- 2008/10/21(火) 10:28:01
シスターたちには出席番号ならぬ誓願番号というものがある。
誓願を立てた順にふられた番号で、昔は名前の代わりに自分の持ち物に書いたりしたらしい。
貰った番号はずっと変わらない。
そして、天国に行った人の分はそのまま欠番。
だから一番最後に誓願を立てた私の番号は、現在の会員の人数よりもずっと大きい。
で、この誓願番号。
こんな遊び方も出来る。
「私の番号は典礼聖歌集では、この歌だよー」
ちなみに私の番号は典礼聖歌集ではこの歌
「私は静かにカミを待つ。」
昔、あるミサで先唱の子供がこの曲をアナウンスしたのだが、
少々発音がまずくて
「私は静かにカメを待つ」
と聞こえてしまったことがあった。
私の脳裏には南の島の海岸と、そこから沖へ向かう大亀の姿が浮かび、
笑いをこらえるのに必死で歌えなくなってしまった。
今も、この曲が出るたびに思い出してしまう。
私の番号は笑える番号なのだった。
Sr.ぱうろ
- 笑
- | comment(2)
体育の日
- 2008/10/14(火) 09:57:00
私はスポーツが苦手だ。
歩くだけなら長距離でもがんばるけど、スピードや反射神経、腕力などの必要なものは全てパス。
ところが昨日の体育の日、朝食の席では私の苦手な運動会の話で盛り上がった。
「今日、M幼稚園で何かあるんですか?」と聞いた私が馬鹿だった。
「今日は運動会よ。あなたも応援に行ったら?」
そこから昔の修道院では盛んだったという運動会の話に花が咲く。
昔はロングスカートにたっぷりした袖、額までしっかり覆うベールという、仰々しい上に暑そうな服装のシスターたちが、スカートをひるがえして走ったり、卓球をしたりしていたという。
「あの頃は、今みたいに色々な娯楽がなかったから、運動するくらいしかなかったのよねぇ。」
今は物静かにしているお婆さま方も、当時は意外に俊足だったり、抜群の反射神経を誇ったりしていたそうだ。
ああ、そんな時代に入会してなくてよかった・・・!
走れば常にビリ。
球技ではオロオロするばかりでほとんど球に触れることも出来ない。
それでも以前は平均台やマットくらいは人並みに出来たのだが、それも今は体が硬くなって無理。
そんな私だから、スポーツをしようという話が出ると思わず小さくなってしまう。
しかし!
昨日はこの話題がさんざん盛り上がった末、ついに卓球台が登場した。
若い志願者やスポーツ好きのシスター、昔は卓球が得意だったという老シスターがきゃあきゃあ遊んでいるのを、ひそかに見守る私。
・・・それを眺めるのは楽しいと思う。
Sr.ぱうろ
冬瓜のおしゃれな加工法
- 2008/10/10(金) 15:37:31
こちらは昨夜作った冬瓜ジャム。
オリジナルは合同修練でお世話になったO修道会でごちそうになったもの。
しょうがのスパイシーさとレモンの香りがおしゃれでとてもおいしかったので、作ったシスターにレシピを教えて頂いた。
当時、わたしたちの修練院の畑には自然に生えてきた冬瓜がたくさんあり、始末に困っていた。
なにしろ冬瓜は一つひとつがとても大きい。
料理の仕方にも限りがある。(と私たちには思えた)
なかなか食べきれなくて悩みの種だったが、ジャムにすれば保存も効くし、冬瓜の苦手な人も食べやすい。
なんてすばらしいアイディア♪
というわけで、私の習ったレシピは以下のとおり。
冬瓜1kに対して
砂糖500g・レモン一個・生姜一片
1冬瓜は皮を剥き、種をとって薄切りにし、砂糖をかけてしばらく置く。
2レモンは皮(表面の黄色いところ)をみじん切りにして汁を絞る。
生姜もみじん切りにして、レモンと一緒にしておく。
3冬瓜から水が出てきたら、その水で煮る。
4冬瓜が透明になってきたら2を加え、さらに煮る。
全体があめ色になるか、水気が無くなるまで煮込む。
煮方が足りないと腐ることがあるので、なるべく長時間かけるのがコツ。
というわけで、煮込むこと1時間30分から2時間。
かなり長時間なので、ほかの料理をしたり、近くで本を読んだりしながら、忍耐強く付き合う。
うっかりしていると焦がしてしまうので(そんなおバカは私だけ?)、ときどき鍋を覗いて、様子を見てあげる。
簡単だけど忍耐が要る。
それゆえ出来上がった時の達成感はひとしお。
Sr.ぱうろ
- 食
- | comment(6)
読書の秋Ⅱ
- 2008/10/08(水) 08:12:51
夏休みのはじめから先週までがんばって読んだ一冊
『小説聖書 旧約篇』ウォルター・ワンゲリン著 徳間書店
『小説聖書』は他に「新約篇」「使徒行伝」があって、何故か聖書の順番に逆行して使徒行伝から読み始めた。
今回、旧約篇を読んだので全部制覇したことになる。
でも、どれも長編のため、なかなか読み終わらなかった。
はじめに読んだ使徒行伝はある教会のバザーで入手したのだが、自分の蔵書になったことが災いして読み終わるまでに何ヶ月もかかってしまった。(いつでも読めると思って油断した)
でも、このシリーズは聖書を理解するのにかなりお薦め!
膨大さを補って余りある内容の濃さだから。
登場人物の一人ひとりが聖書に忠実に肉付けされていて、歴史的背景や当時の風俗習慣なども丁寧に描かれている。
それもそのはず著者のワンゲリンさんは神学者でもあるそうだ。
おかげで、どのシーンもすっごくリアル。
パウロなんてかなり私のイメージ通りだったし、聖書に書かれていないフィクションの部分も「いかにもありそう」で無理がない。
旧約篇には預言者たちのエピソードも描かれていて、それこそ聖書には書いてない場面だらけなのに、聖書本文の巧みな引用のおかげで説得力がある。
ほとんど名前しか出てこない(どんな人なのか詳しくは分からない)人物も、この小説の中ではいかにもそうであったような人格が与えられて、生き生きと動き回っていた。
特に使徒行伝に出てくるプリスカさんなんて、とても魅力的。
小説とはいえ、なかなか勉強にもなるので、長編でも大丈夫な方は是非どれからでも読んでみましょう。
Sr.ぱうろ
- 読書
- | comment(2)
その名は復活
- 2008/10/04(土) 09:20:59
昨日、また一人の姉妹が天に召された。
とても穏やかな優しいシスターで、私も手作りのマスコットを頂いたことがある。
その多くは周囲の子供たちにあげてしまったけど、
この怪獣だけはお気に入りで手元に残した。
作ってくださったシスターの修道名「アナスタシア」から二文字貰って
アナトンと命名。
手足が動くので、ときどき子供が遊んでくれた。
ギリシア語で復活のことをアナスタシスというらしい。
だからこの子は復活怪獣アナトン。
天国に行ったシスターの名前は復活。
なんだかめでたい。
今はちょっと寂しいけど、いつの日か復活してまた会える。
明日のお葬式ではめそめそするに違いないけれど、
天国に行った人も、私たちも、同じキリストの体につながっている。
だから安心してお見送りしよう。
Sr.ぱうろ
- 天国
- | comment(2)
- | HOME |